CATEGORY まどろみ行灯

ある日
単位が足りなくて留年しそうなギャルが呼び出しをくらった
「何で呼ばれたか分かるな？」
「何すか？」
「単位が足りないんだよ！このままだと留年だぞ」
「あーやばいっすねそれは」
「お前なぁ…とにかく補習して貰うからな」
「はぁめんどくせ、んで何の科目やりゃいいんですか」
「保健体育だ」
「…何で？」

道場を営む空手家の父親を見て育った
女なのにと、驚く人も多いが
私は私の意志で空手家になり
今では師範代にまでなった
この道場は私の家であり
空手も父も誇りだった
あの男が全てを奪い去るまでは

乗ってた船が嵐に巻き込まれ
気が付くと知らない島に
そこで獣に襲われた所を助けられた
たくましい女性だった

「ありがとう！もうダメかと思った」
「気にしないでくれタダで助けたわけじゃない」
「お礼をしたいけど何もなくて…」
「いやもう貰ってる」
「え？」

「貴様は今日から私のモノだ」

先代から引継いで
早いもので数年が経った
厳しい時期もあったけど
従業員の努力のおかげで
何とか客を取り戻して
この旅館は上手くやっていけている
これからも守っていきたい

「おい！どういう事だ！！」
ロビーで騒ぐ客がいる

「ったく厄介な客が来たな」
「おい、聞こえたらまずい・・・あの人は」
「私が行くわ」
「女将！」
騒いでる客は新しいオーナーだった

知り合いの旅館関係者から紹介してもらい
この男に出資をお願いした
男はあっさりとそれを了承
そこから事業は何とか安定したが
この男が受けてくれなければ
今旅館は無かったかもしれない

男はこの旅館のオーナーというだけではない
男はこの周辺のホテルや旅館
その関連施設ほぼ全てに出資している
もし機嫌を損ねたら・・・

「失礼します、他のお客様もいらっしゃるのでお静かに」
「あ？・・・あぁ女将か、会うのは初めてだな」
「はい」
「ふぅん・・・へへっ」

先代や従業員
そして自分の為にも
この旅館は必ず守る
その為なら何だって・・・

車で旅行中ガソリンスタンドに立ち寄った
そこに居たのは褐色の整備士さんだった
今日は暑いから作業着は蒸れるようで
前を開けていた
だいぶ汗をかいている
とても…興奮する匂いがする

常識改変アプリを手に入れたぞ
さっそく使いたいけど誰に使うかな…
よし、じゃあ
会社にいるお堅そうな上司に使うか